草を飲んでみればいいという最後で終った前回からどのくらい経ったのだろう。確かに草を飲めばいい。そして私は驚くべき事実に直面した。一度識別したり使用すればもうそれは大丈夫な状態で置かれていると思ったら、フェイの最終問題はそんなに甘くなかった。
フェイの最終問題は入るごとに未識別になる・・・。
私はこの事実に震え上がってしまう。そんな馬鹿な、そんな未識別の草や巻物、杖を毎回、効果を確かめていたら・・・。
私は最初にフェイの最終問題に入った時にトラウマがある。それは復活草というとても嬉しい草をレベル1の何でも無い状態で美味しく飲んでしまったのだ。復活草は持っていればいいのだ。なんと言う虚無感・・・これがデスヘッドや冥王といったこの世を代表するような凶悪モンスターと戦う時に効果を発揮すればガッツポーズだが低い階、つまりあなぐらマムルや妖怪にぎり見習いといったジャンケンでも勝てそうな相手達のいる階層で意味も無く飲んでしまったのだ。私は空しくなった。
そんな事があるから私は「たまむし色の草」はもう二度と飲みたくないのだ。だから私は草を拾ってもあまり飲まないでいた。そんな折、私は幸運にも一つ目殺し+2を拾った。なんと言う幸先の良さ!このまま直進していくと、何とモンスターハウスに直撃!しかし低フロアのモンスターハウスなんぞ恐るるに足らず。せいぜいマムルやボウヤーしかいないのだから通路で応戦だ。
これが死神やガンコ戦車のいるフロアだと悪夢だ・・・死神は壁をすりぬけてくるし、ガンコ戦車はアイテムとモンスターを消し去ってレベルアップ。倍速で固定ダメージという禁断の兵器と化して接近してくる。死神は壁にいるからダメージを当られない。タイガーウッホ系はこっちに火炎入道を投げてくるなど、大恐慌に負けない悲惨な事態になるのだ。
私は通路で一つ目殺しを振り回し、モンスターハウスのアイテムをごっそり頂いてフロアを順調に降りて言った。
しかし悪夢は襲ってくる。おにぎりの罠だ。
おにぎりの罠とはシレンをおにぎり状態にしてくる凶悪な罠だ。おにぎり状態というのはアイテムを使えなくなり、さらに装備品の効果も無くなるという悪夢以外の何物でもない罠だ。これにかかるとしばらく放浪して状態を改善しないことにはまともに戦えない。これで攻撃力の高い奴、例えばマスターチキンなんかに遭遇すると悪夢だ。背中の壷を押せない。考えたくも無い。
私は、一つ目殺しを装備しながらフロアを探索していたら目の前からサーベルゲータが!恐ろしい相手だが落ち着いて対処すれば大丈夫だ。落ち着け、吹き飛ばしの杖もある、さぁ、こっちから向かってやろうじゃないか。一歩前に進むと煙と共にシレンが鈍足状態に!!まずい!一番なってはいけない状況だ!逃げろ!通路に逃げて回復だ!さぁ!ああ!また煙が・・・何と!シレンはおにぎりになったではないか!しかももう一匹モンスターが来た!これは、もう!駄目だ!シレンは覚悟を決めてその場で足踏みした。サーベルゲータは何度もシレンを切り刻んだ。かつて風来人と呼ばれたおにぎりは最後の力でサーベルゲータに体当たりをする。しかしおにぎりである。おにぎりは切り刻まれ、ダンジョンの藻屑と化した・・・。
(続く)
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